0.きっかけ

初めてWSでの体験を契機とした記事を書きます。

昨日、大宮にあります、ホビーステーションさんの非公認トリオ大会に参加してまいりました。

チーム全員2-1、チームとしても2-1の段階で、
対戦相手の方がこちらの戦績を一部書き間違えられていたのを見逃してしまい、
チーム1ー2として処理された段階で、

・チームメイトが参加中にスマホを無くしていたこと。(後に見つかりました。清掃員・警備員さんに感謝。)
・歪なオポーネントになってしまった事による決勝T進出の可能性の皆無さ。
・正しいことを言ってはいるが、言い方きついなぁと感じた店員さんの発言。

等、様々なことを理由にドロップを即断しました。

ここに関しては、元を辿ればこちらの不注意が原因ですので語ることはありません。
地区であれば負けた側がチケットを渡すだけで、書き間違い等は起こりえない現象ですし、
店員さんも神ではありませんから。
運営していて少なからず疲労やフラストレーションも溜まっていたことかと存じます。

自分としてしこりが残った事象、この記事を書こうと思った契機は2回戦にありました。


1.発生した事象

起こった事象を出来うる限り簡潔に説明しますと、

1.こちらがマーカーによる先攻後攻の取り決めを提案。
2.相手側がこれを拒否。じゃんけんでお願いしたいと提案される。
3.拒否自体に問題は無いため、これを承諾。
4.じゃんけんをした際、こちらがグーを出した時に、チョキかパーかわからない手を出される。
  (人差し指と中指は真っ直ぐなものの、他の3本の指が中途半端に広がっている状態。)
5.相手の出した手がはっきりとわからない為、じゃんけんのし直しを即座に要求。
6.何度かのあいこがあった後に、じゃんけんに勝利し、先攻を得た。

となります。

ここで大事なのは、当然先攻を取れたことではありません。
先程の書き間違いと違い、決め方について折れた私が悪い、等の話をするつもりもありません。
相手に不正の意思があったかどうか等も、この際正直どうでもいいです。
僕がモヤモヤするのは以下の点です。

①2より、相手から提案されたのに、不慮の事故だったかもしれないが、
 相手が完全な形で取り決めを遂行してくれない
②4より、明確な「グー」・「チョキ」・「パー」以外の手を出すことで、誤魔化された、とこちらが感じうる
③6より、最初に手を出した段階で約67%の確率でしか勝敗が決まらない面倒なやり方であると感じる。
④後出し、発声、速度コントロール等、無作為とはとても思えないオカルト・冗談じみた技術(?)を記載した
 ツイート、記事が存在する。

過去のトラウマ(※1)も含め、僕がじゃんけんが嫌いな理由がここに詰まっています。

※1 https://tocage.jp/blog/8262/1479718560.html
CardGamerK君ごめんなさい。でも元は僕のツイートなんで許して。


2.そもそも先攻後攻の取り決めってどういうルールだったっけ?

例えばマジックであれば以下のとおりです。

103.2. デッキを切り直した後、どちらが先攻後攻を選ぶかを決める。
マッチの第1ゲーム(単一のゲームからなるマッチを含む)においては、
その方法は相互に納得できる方法(コイン投げや、ダイスを振るなど)であれば何でもよい。
複数のゲームからなるマッチにおいては、直前のゲームで負けたプレイヤーがどちらが先攻かを決定する。
前のゲームが引き分けであった場合、前のゲームで先攻・後攻を決めたプレイヤーが決定する。
先攻となったプレイヤーは開始プレイヤーである。通常、ターン進行は開始プレイヤーから時計回りに進む。

(マジック総合ルール(和訳 20190503.0 版) 
 https://mtg-jp.com/gameplay/rules/docs/0006836/#r103 より抜粋)

また、ヴァイスシュヴァルツであれば以下のとおりです。

5.2. ゲーム前の手順
5.2.1.3. 各プレイヤーは、無作為にどちらのプレイヤーが先攻プレイヤーであるかを決定します。
5.2.1.3.1. 先攻プレイヤーの決定に、何らかの意思が介在することは認められません。
無作為を含む何らかの方法で決定した一方のプレイヤーが先攻か後攻かを選択することは認められません。

(ヴァイスシュヴァルツ 総合ルール 
 https://ws-tcg.com/wordpress/wp-content/uploads/rule/WS_rule_1.80.pdfより抜粋)

互いに書き方に違いはあれど、「互いに納得できる方法」であったり、「無作為」であったり、
「対戦相手との信頼関係にて取り決める」というアナログゲームらしい記載がされています。

「マジック・ザ・ギャザリングはコミュニケーションのゲームです。」と、
先日のGP横浜でヘッドジャッジの方がおっしゃられていたのは、参加していた私としては記憶に新しいところです。

人と顔を突き合わせて対戦するゲームである以上、
相手とコミュニケーションを取れなくなったら元も子もないでしょう。
マジックに限らず、こういったエラーの起こりにくいコミュニケーションというところは大事かと思います。


3.で、先攻後攻の決め方ってどんなのがあったっけ?

①じゃんけん
昔はWSではこれしかなかったであろうというレベルの決め方。
逆にマジックでは殆ど用いられたことを見たことが無い決め方。
これは以前WSでは、公式でじゃんけん等の方法、と記載されていたり、
以下のようなルールがあったことで、
カードやプレイマット以外のものを出しにくかったことに起因する部分があるかと思います。

Q. 対戦中にメモをとったり、さいころやコインなどを使って目印を付けてもいいですか?
A. いいえ、対戦中にメモをとったり、さいころやコインなどを使って目印を付けてはいけません。
 大会や対戦に関係の無いものは、原則としてテーブルなどに置いてはいけませんが、
 センターマーカーなどの使用については、ジャッジの指示に従ってください。

現在では、公開情報の数値変動等の可視化を目的に使用が認められ、出す方も増えたように思います。
(ブシロードTCG応用フロアルール第3章第4節 補助アイテム 参照)

しかしながらWSとしては昔ながらのこの決め方、
当記事第1項で記載したように、正直全くと言っていいほど有用な決め方ではないと考えています。

・まず一回で決まる確率が少ないこと。(吹雪より決まりにくいってどういうこと)
・動体視力で対戦相手が出す手を見て勝とうとするのが技術、と言い出すプレイヤーの存在
 (そんなことできるのかと思いますが)
・発声をこちらからすることで焦らせる、力を入れさせる等で出す手を操作する
 (ここまで行くとオカルトの世界と感じますが)
など、先述した内容を含めて、面倒・いくらでも誤魔化し、技術介入が効く可能性のあるやり方だと感じています。

そもそも少なくともWSでは先攻後攻を決めるのに技術介入の可能性などあってはならないのです
ルールで「無作為な方法」と定められているのですから。
(もちろん、他のゲームならいいと言っているわけではないです。)

②サイコロ
マジックでは広く一般的に用いられている決め方かと思います。
日本ではハイロールとよばれる、対戦相手と同じ2つの1d6ダイスを振り、合計が大きい方が先攻、
ないし決定権を得ることが多いかと思います。
海外では「Odd or Even?」と問いかけ、奇数か偶数かを選ばせ、
ダイスの合計がどちらかになるかという方法を取られることも多いそうです。
(出展:http://www.starcitygames.com/articles/38354_Mythic-Championship-Cleveland-Sultai-Controversies-And-Beyond.html

上記記事はものすごく別の意味でMTG界隈にて有名ですが、
それを抜きにして、こういう決め方が実際行われているんだと目から鱗でした。

というのも、ハイロールは、互いに同じ目を出した場合は振り直しになってしまい、
じゃんけんほどの確率ではないにしても、「あいこ」の状態が発生し得る決め方です。
しかし、Odd or Evenであればどちらか1方に最初の1振りで決まります。
当たり前ではありますが、あまり国内で用いられていないと感じていることもあり、画期的だなと感じました。

また、じゃんけんよりも恣意的なものが介在しにくくなるかとも感じます。
両手で隠した状態で振る、置きサイ等の不正が発生しないようにある程度上から振るようにする等、
誤魔化しが効きにくいようにする方法もオカルトじみておらず、比較的容易かなと思います。

③マーカー
ここで登場するのがマーカーです。
先攻・後攻と書かれたカード2枚を裏返して相手に選んでもらい、
それぞれ表にして書いてある先攻後攻に従う、という方法です。
大会等で使われ始めたのは近年かな、と思いますが、
ニコニコ生放送の対戦枠等では、CXとそれ以外の2枚のカードを用いて、CXを選んだ方が先攻、
という形でよく用いられていました。

WIXOSSが公式的にマーカーを作っていたり、(メーカー間違ってたらごめんなさい。)
有志によるユーザーが開催しているCSでも配布されていたり、
(参加したことはありませんが、現在運営の方から別途頂いたマーカーを使っています)
いろいろな入手方法がありましたが、ついにしろくろフェス2019にて
先攻後攻を決めるマーカーが配布されました。

この決め方は、提示する側はただ出すだけ、選ぶ側もただ2択を選ぶだけ、
しかも確実に一回で決まる。本当に五分五分の世界で決定出来ると考えています。
その意味でも今回、参加者に配布されたことには意味があると考えていて、
ただ出す、ただ選ぶ、を徹底すれば、これこそ人間が作り出せる無作為としては一番マトモかな、と考えています。

④コイントス
求められたこともやったこともない!すまん!他のゲームではよくあるよ!とかあったらすいません。


4.で、何が言いたいんさ

この記事を通して、マーカーを絶対使えや、と言うつもりは無いです
じゃんけんを求める人達が全員勝てるようになにか作為的なことを考えているから、
じゃんけんを公式で禁止しろと言うつもりもないですし、そんなこと考えてもいません

ただ、「お互いコミュニケーションを大切に、無作為かつ、しこりの残らない決め方を
というところを重視してもらえたらなと思った次第です。

個人的な意見としては僕にじゃんけんをさせないでください。
お願いします。
本当にお願いします。
なんでもはしません。

御閲覧頂きありがとうございました。

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